鉄筋腐食抑制型ポリマーセメントモルタル「サビケン」
サビケンは酸化還元反応を阻害することで鉄筋腐食を抑制する新しい鉄筋腐食抑制型モルタルです。
コンクリート中の鉄筋腐食は、「酸化還元反応の成立」、「腐食電池の形成」、「不動態皮膜の破壊」の3つの条件が全て揃う場合に進行するが、いずれか1つでも条件が欠ける場合は進行しないといわれています。サビケンは「酸化還元反応をさせない」ことで鉄筋腐食の抑制効果が期待できます。
サビケンの防錆性能(乾湿繰返し法による促進腐食試験(JCI-SC3参考))
サビケンの特長
-
1.残存している錆が広がりにくい
鉄筋表面の25%を予め発錆させてから促進腐食試験を実施し、発錆面積の広がりを測定
(実施:室蘭工業大学)
残存している錆が広がりにくい鉄筋ケレンによる錆落としで仮に錆が残存してしまう場合でも、腐食のさらなる進行を抑制することで再劣化の抑制が期待できる。 -
2.塩化物イオンの浸透抑制に優れる
硬化体組織の緻密化や塩化物イオン固定化による劣化因子遮断性の向上により、優れた塩化物イオン浸透抑制効果を発揮。
また、発錆限界量を上回る塩化物イオンが浸透しても鉄筋腐食の抑制効果が期待できる。
塩化物イオンの浸透を抑制し、さらに発錆限界量 を上回る塩化物イオンが浸透しても腐食を抑制塩化物イオンの侵入から鉄筋到達までを遅らせることで発錆を防ぐ。鉄筋到達後も酸化還元反応を阻害することで発錆を抑え、腐食抑制効果の持続が期待できる。 -
3.防錆材の性能を有する
日本建築学会 鉄筋コンクリート補修用防せい材の品質基準(案)に適合。
要求性能 試験項目 基準値 試験結果 防錆性 防錆性試験
(防せい率:%)処理部 50以上 92.4 未処理部 -10以上 63.2 鉄筋との付着性 鉄筋に対する付着強さ試験(N/mm2) 7.8以上 16.3 コンクリートとの付着性 耐アルカリ性試験 塗膜に異常が認められないこと 異常なし
期待できる効果
日本建築学会『鉄筋コンクリート補修用防せい材の品質基準(案)』にも適合していることで、防錆材と断面修復の一体化施工が可能になります。
-
CO₂排出量削減に貢献できる
セメント配合量の25%を産業副産物に置き換えることでセメント由来のCO₂排出量を25%削減。 -
室蘭工業大学との共同研究により各学会で発表
・2023年度、2024年度、2025年度日本建築学会大会
・2024年度コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウム
用途
鉄筋コンクリート構造物の断面修復。特に塩害が著しい地域で耐塩害性が要求される部位に対しては効果が高い。配合
粉体 | 水 | |
---|---|---|
1袋配合 | 20kg | 3.1〜3.6ℓ |
1㎡配合 | 1.760kg(88袋) | 294.8ℓ |
可能時間 | 約60分(20°C) |